タイトル通りです。是非とも騙されないようにお気をつけください。私自身、信じて代行を依頼したことがありますが、結果は全くの大失敗でした。依頼した相手に悪気があったかはわかりません。個人的には、その方の人間性を信頼しています。信頼してお仕事をお願いしました。それでも、結果としては投資しただけのリターンがありませんでした。残念です。
結果として大事な勉強になりました。みなさんに同じ失敗をしてほしくないので赤裸々にご紹介します。最後までご覧ください。
相場などはあてにならない
はっきり言います。絶対的な相場などありません。
まずは、相場として「ああ、5万なのね」「10万なのね」と納得しないでください。もっと疑うべきです。そもそも代行の中身はそれぞれなのに、相場なんてものでくくることはできません。
「個人なら」「会社なら」という分け方もかなり曖昧なので信じないことをおすすめします。
個人なら5万、会社なら10万という分け方は雑すぎます。会社でも何もしないなら1,000円で十分ですし、個人でも素晴らしい仕事をしたら50万でもいいでしょう。要は仕事をするかしないかです。
「家の相場は?」と聞いているようなものです。ロケーションによって違いますし、そもそも「家を買う」のか「家を借りる」のかでまるっきり別物です。同じくらいに曖昧な表現が「インスタグラム運用代行の相場」ですのでご注意ください。
仕事をするかどうかで相場を評価しよう
ポイントは仕事をするかどうかです。どれだけの仕事をするかで相場を評価する他に道はありません。
是非とも、仕事の形態だけで値段を予想したり、受け入れたりしないでください。極端な話、会社に依頼してもアルバイト同然の人が運用を行う可能性すらあります。
さらに残念なことに、会社が別のサイトでフリーランサーを雇うこともできてしまいます。
運用の問題は仕事が曖昧なこと
仕事を見て値段を決めることはご理解いただけたと思います。それでは、どのように仕事ができる相手かどうかを見極めることができるのでしょうか。
これを把握するためには、まずは仕事の中身をはっきりさせる必要があります。運用代行という概念が非常に曖昧です。ハッキリ言って、なんとなく「それっぽい」ことをするだけで、できてしまいます。
自分はそれがどうしても許せません。白黒つけましょう。
相場などという言葉に騙されずに、絶対に、個人・会社に仕事を依頼する前に、仕事として「何をやるか詳しく教えてください」とお願いしましょう。これを面倒臭がってはいけません。
ポイントは数字を求めることです。
運用代行の仕事としてチェックすべきこと
投稿として何をどれだけつくるのかを明確にしましょう。
- 投稿の種類は何か、動画なのか画像なのか
- 画像ベースの投稿作成であれば何枚で1投稿なのか
- キャプションの中身、文字数はどうか
- どれだけの頻度で投稿するのか
- 投稿の分析はしてくれるのか、どうやるのか
- 施策の提案はどれだけの頻度でしてくれるのか
- 会議はあるのか、あるなら月何時間を何回か
- 日々のやりとりの頻度は、そしてコミュニケーションのツールは
そして、投稿づくりの前によくあるのがアカウント設定と言われるものです。これもはっきりさせましょう。曖昧な言葉はどんどん分解します。わからないことは全部聞くべきです。
アカウント設定というのは、具体的には以下のことを行います。
- アカウントの目標を決める
- アカウントのターゲットとなる人(ペルソナと呼ばれます)を決める
- アカウントの風合い(色やデザインなど)を決める
- アカウントの戦略を決める(広告などを使う場合もある)
さらにさらに、どれだけフォロワーやユーザーとやりとりしてくれるかも明らかにしましょう。SNSとはそもそも、人とつながる場所です。投稿をするだけでは終わりではありません。
具体的には、毎月、何回、どのようなかたちでユーザーとの関わりを行うか聞いてください。
- いいねはどれだけするのか
- 返事はどれだけするのか
これについても「フォローアップの施策」や「いいね周り」などの言葉が使われることがあって、個人的にはうんざりしています。曖昧な言葉は許容してはいけません。はっきりさせましょう。
絶対に「で、具体的に何をするのですか?」と聞いてください。尻込みしてはいけません。
曖昧な言葉でいえば「壁打ち」も厄介です。ミーティングをしながら「それなりにいいかんじのことを言います」のような意味で使う人が多く、曖昧すぎるので絶対になんとかしましょう。消費者側の意識の高まりで、このあたりをちゃんと指摘できるようになることが重要です。
ミーティングではどんなことを話して、どんな決断につなげることができるのか。全て根掘り葉掘り聞いてください。これでしぶるような相手であれば、信頼するに値しません。
運用代行の基本なら調べれば誰でもできる
誤解を恐れずに言ってしまうと、相当なスターや業界のトップに仕事をお願いすることを例外として、基本的な要素をおさえればある程度のインスタの投稿は誰でもつくれます。
そんなわけで、インスタ代行の「経験あり」ですという人だからといって「わあ、すごそう」という色眼鏡で見ないことをおすすめします。ハードルは全く高くありません。
インスタを趣味で触ってきた延長でそれを「仕事」と呼ぶ人も少なくありません。
覚えることなど決まっており、誰でもすぐに基本をおさえられます。例えば、投稿はいろんな時間帯に投稿して一番反応のいいタイミングを探そうとか、画像には人を入れたりキャラクターを入れたりした方が反応がよくなるかも…とか、そんなの誰でも調べればわかります。簡単です。
どうか、運用代行をプロしかできない仕事だと思わないでください。
投稿を作るのも日本語が書ければ基本的には問題ありません。
どのような人がプロなのかの定義はたくさんあると思いますが、私個人の意見では、インスタの仕組みやアルゴリズムは理解しているのを大前提として、以下にも精通している人が理想です。
- そもそものマーケティングの概念
- ペルソナ
- 消費者行動
- 悩みの解決
- ブランドマネージメント
- ブランドの印象づけ
- 人との関わり方
- コミュニティづくり
- コピーライティング
- つかみの作り方
- 文章力(語彙など)
- 魅力の作り方
これくらいは基本中の基本です。特に何も勉強せずにインスタが好きなだけの人が「プロ」を語った場合には、ご自身の力でちゃんと見抜く必要があります。
代行の業者とコンテンツのプロは違う
代行の業者がやるのは、インスタグラムで「一般的に気をつけた方がいい」と言われていることをやるだけです。それが基本です。繰り返しますが、特別な頭脳や卓越した学力は必要ありません。誰でもネットで検索するだけで基本はマスターできます。
そして、コンテンツの内容についてです。例えば、あなたが英語学習のサイトを構築していて、その集客でインスタグラムを使いたいとします。そんな時に業者やインスタの運用代行のフリーランサーを雇うかどうか考えたとします。
気をつけたいのが、そんな人が必ずしも英語のプロではないことです。プロである可能性など低いです。インスタグラムになれているだけで、それ以外のあなたのコンテンツに特化していないので、投稿が全く的を射ていない物になる可能性があります。
投稿を見る人は、そのレベルの低さやアマチュア感に気付きます。それがあなたのサイトやブランドの印象に悪影響を及ぼします。そして最終的には「もういいです。自分がやります」となるはずです。
何が言いたいかというと、大事なのはコンテンツそのものです。それがメインにあり、それを引き出す、周辺の作業がインスタ運用の代行です。代行を頼んでも、多くの場合、自分かまたは特定のコンテンツジャンルに精通している別の人が、コンテンツづくりに手間をかけることになりますのでご注意ください。
特に何も知らない人がつくると、一気にプロジェクト全体の台無しになってしまいます。運用代行は万能の薬ではありません。あくまでもサポートだと考えるのが賢明です。そもそもどんな新規アカウントでも一瞬で数百万フォロワー獲得できる魔法のようなノウハウを持っている人であれば、代行などせずに自分でアカウントを量産する方がいいでしょう。
運用代行の仕事を考えた上での相場
分解していきましょう。
例えば投稿の作成です。投稿を画像7枚で作るとします。コンテンツはその中身にもよりますが、簡単なものなら20-30分でできます。画像のデザインもCanvaなどで20-30分です。
テンプレートを作ってそれを使い回すだけならもっと楽にできます。
上の例では合計しても1時間前後です。これに1万円以上の値段をつける人や業者がいます。もちろん中身次第で手間や時間は大幅に変わります。是非とも、相手には確実に中身を聞いてください。何を使って、どのように投稿を作るのか。ものすごく重要なポイントです。
もしその投稿に特別な手間やしかけがあるのであれば、その分だけ値段は上がるのはわかります。しかし、前述のような基本的な投稿であれば、文字通り誰でもできます。Canvaなどというのは資格というほどのものではなく、スマホの画像編集アプリを使う程度のスキルです。
自分で絵を描く、アニメーションを制作するとなると、当然ながら話は別です。
そうでもない限り、ちゃんと仕事を分解して評価するようにしましょう。
運用代行が高すぎるなら分解して依頼すべき
運用代行というと「全部込みで月額〇〇万円」という提示の仕方をする人が大量にいます。これが厄介です。本当に手間をかけている人ならいいのですが、そうでない人は、細かな「何をやるか」の部分を隠したがる傾向にあります。是非とも注目してください。
どれだけ聞いても具体的に何をするか明かさない人には要注意です。雇わないことをおすすめします。
そんなときは分解してしまいましょう。例えば、CrowdWorksなどで「記事の投稿何文字を何個のかたまりに要約してくれる人を募集」といった内容で探します。そして、サイトの記事の中身をスプレッドシートなどに要約してもらいます。すると、その仕事をちゃんとやる人を見つけられます。
気持ちの悪い「ごまかしだらけのパッケージ」とはおさらばです。
その後、Canvaでスプレッドシートの情報にデザインをつけて投稿を作成する人を探します。これの繰り返しです。これだけで料金を半分以下に減らすことは決して難しくないはずです。
絶対に運用という言葉を鵜呑みにしないこと
運用は「複雑な仕事で」というような理由を色々と並べられることもあるかもしれません。はっきりと言います。そんな複雑なことはありません。少なくとも基本は超簡単です。
アルゴリズムがどうこうと言う人がいれば、アルゴリズムについての質問をしてみてください。なぜ「ホーム率が重要なのですか?」と聞いてみましょう。なんとなく「〇〇をすべき」という、なんとなくの知識だけで返事を返す人は要注意です。そもそもの勉強の意識が欠けている可能性があります。
相場は仕事の質と量で決まる
結局のところ、仕事の相場や値段は以下の2つで決まるべきです。
- 仕事の量
- 仕事の質
純粋に仕事の量が多いのであれば、それだけの時間がかかり、値段が上がります。これは納得できるでしょう。そして質です。質が高ければ、それだけの投資の価値があるでしょう。つまり結果です。結果を出してくれるのあれば、その分お支払いをしましょうという話です。
では、どちらもダメだったらどうでしょうか。最悪のパターンがこうです。仕事を分解したら、たいしたことは何もしていないことがわかった。仕事量がものすごく少ない。そして曖昧なことばかり。さらに、仕事からあまり結果が出ていない。フォロワーも増えていないし、いいねも全然つかない。
基本ではありますが、この2つの指標を厳しくチェックするようにしましょう。
「相場より数万円安い」は意味をなさない
相場などというものは存在しないことは先に触れたとおりです。運営や代行の中身は様々です。開きがありすぎます。ですので、運用代行に相場などありません。
相場は〇〇万円で、私の値段は〇〇万円引きの…という言葉は、実質何も意味を持ちません。そもそも比べる対象がはっきりしていないのですから当然です。
仕事量を減らせばいくらでも安くできてしまいます。大事なのはどれだけの仕事をしてもらえるかです。これを把握せずに値段をどうこう言っても何も意味がありません。
ちなみに先に高い値段を見せて、それよりも安い値段を提示するのはアンカー効果という手法です。それを見る人は「安いかも」と思ってしまいます。どうかそんな小手先の手法に騙されないでください。
「10万円で一泊のホテルがあります」と紹介された後に「こちらのホテルは3万円です」と言われたとします。感覚的に安いと感じてしまうかもしれません。しかし、明らかに高いものとの比較にすぎません。もっと安いものはいくらでもありますし、そもそも比べるもの次第です。
さいごに
是非とも相場という曖昧な言葉を鵜呑みにしないでください。ポイントは数字を使って、仕事の中身を分解することです。絶対に質問を繰り返して、納得してから契約を検討してください。
仕事に自信がある人や会社ほど、ちゃんと情報を開示してくれます。なぜなら、そうしても大丈夫だからです。やましいことがある人や会社ほど、何かと理由をつけて「状況次第で」といった言葉を使います。具体性が一向に高まらない場合には、きっぱりと別の人に相談するようにしましょう。
私の例では「どれだけ施策の思考をするのですか」と聞いた時に「特に仕事をしていない時でも、頭の片隅でプロジェクトのことを考えているので、その分の費用も発生」すると言われ、驚きました。新鮮な経験です。色々なスタイルの人がいるものです。
実際それで結果が出ていれば、ある意味でそのような仕事の仕方も正当化できたでしょう。
繰り返しますが、私はその人のことを悪く言うつもりも、非難するつもりもありません。ただ結果としてはうまくいきませんでした。他の人が同じミスを繰り返さないように、この記事の内容が参考になれば幸いです。あらゆるものが隠されている業界ですので、皆さんが気をつけてください。